泌尿器科

過活動膀胱 (OAB)

過活動膀胱とは、「尿意切迫感を有し、通常これに頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば、伴わないこともある状態」と定義されています。
要するに急におしっこが我慢できなくなり、おしっこの回数が多くなる状態です。

正常のものが膀胱に多量の尿(400~500ml)をためたときの尿意と違って、我慢できない急な尿意で、これを尿意切迫感といいます。

原因

原因は大きく分けて、神経因性と、非神経因性に分けられます。
神経因性は、脳や脊髄の障害を原因とするもので、脳血管障害・認知症・パーキンソン病などが原因になります 非神経因性は前立腺肥大症に代表される下部尿路閉塞、女性に多い骨盤底筋が弱くなって起こるものなどがありますが、原因が不明のもの(特発性)も少なくありません。

診断

診断は自覚症状に基づくもので、「過活動膀胱症状スコア」(OABSS)が目安となります。
後に掲げましたので答えてみてください。
質問③が2点以上、合計点が3点以上であれば過活動膀胱の可能性があります。
また、他の疾患でも同様な症状が出ますので、区別する必要があります。
除外が必要な疾患として、膀胱炎・尿路結石・膀胱ガン・前立腺ガンなどがあげられます。

治療

  1. 薬物療法
    抗コリン薬:最も多く使われます。
    ポラキス、バップフォーなどのほか、昨年発売されたデトルシトールやベシケアといった薬は過活動膀胱が適応症として認められています。副作用として口の渇きや便秘になることがあります。また、眼圧が調整できない閉塞性隅角緑内障や胃アトニーがある人などは飲むことができません。また前立腺肥大症などで尿が出にくい人は注意して使う必要があります。
    平滑筋弛緩薬:膀胱の収縮を抑える作用のある薬ですが、排尿筋の収縮を抑える作用は抗コリン薬より弱いとされています。
  2. 行動療法
    ア)生活指導 過剰な水分やカフェインの摂取の制限、トイレ環境の整備
    イ)膀胱訓練 少しずつ排尿間隔を延長することにより膀胱容量を増加させる訓練法です。膀胱炎があると悪化させますので、必ず医師の指導の下に受けるようにしましょう。
    ウ)骨盤底筋体操 骨盤の底で膀胱や子宮などを支えている筋肉群が緩むと失禁の原因になります。これを鍛えることによって失禁を減らすことができます。
  3. 理学療法
    干渉低周波療法 これは電気刺激療法の一種で、保険の適応が認められている唯一の治療法です。干渉低周波とは、周波数の近い2種類の電流が交差した場所で新たに生まれる微弱な電流のこと。これにより骨盤底筋を収縮させ、排尿に関する神経も刺激させる。一回の治療は約20分。痛みはほとんどありませんが、繰り返し治療する必要があります。

過活動膀胱症状質問表(OABSS)

以下の症状がどれくらいの頻度でありましたか。この1週間のあなたの状態にもっとも近いものを,ひとつだけ選んで,点数の数字を○で囲んで下さい。

質問1
朝起きた時から寝る時までに,何回くらい尿をしましたか?

  1. 0点 7回以下
  2. 1点 8~14回
  3. 2点 15回以上

質問2
夜寝てから朝起きるまでに,何回くらい尿をするために起きましたか?

  1. 0点 0回
  2. 1点 1回 
  3. 2点 2回 
  4. 3点 3回以上

質問3
急に尿がしたくなり,がまんが難しいことがありましたか?

  1. 0点 なし
  2. 1点 週に1回より少ない
  3. 2点 週に1回以上
  4. 3点 1日1回くらい
  5. 4点 1日2~4回
  6. 5点 1日5回以上

質問4
急に尿がしたくなり,がまんできずに尿を もらすことがありましたか?

  1. 0点 なし
  2. 1点 週に1回より少ない
  3. 2点 週に1回以上
  4. 3点 1日1回くらい
  5. 4点 1日2~4回
  6. 5点 1日5回以上

合計点数はいくつになりましたでしょうか?

判定

質問3の「尿意切迫スコア」が2点以上で
3~5 軽症
6~11 中等症
12以上 重症